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2022年度第2次補正予算により、2023年も数多くの補助金が募集されています。新型コロナウイルスの感染拡大や最低賃金の引上げ、インボイス制度導入など経済環境の大きな変化に対応するため、中小企業等での補助金活用が進んでおり、これから申請を考えている中小企業様もいらっしゃるでしょう。

今回は、そんな中小企業様に対して今おすすめしたい補助金を4つ厳選して紹介します。さらに申請する際の注意点や採択されるポイントも解説するので、この記事を読んでいただくことで補助金の基本的な知識が身につくでしょう。

 

①:事業再構築補助金

事業再構築補助金は、コロナ禍に創設された補助金で、2022年には毎回1〜2万社を超える申請のあった大変人気の高い制度です。ものづくり補助金同様、中小企業等が直面する課題に応じて複数の申請類型が用意されており、申請類型によっては補助上限額が1億円を超えるものもあります。

2022年の時限的な補助金と思われていましたが、2023年も継続して募集されています。なお、内容については2022年から大きく変更されているため注意が必要です。


事業概要

事業再構築補助金は、中小企業や中堅企業の取り組むウィズコロナ・ポストコロナ時代の大きく変化した経営環境に対応するための思い切った事業の再構築を支援することを目的とした補助金です。

事業再構築の類型は、次のように定義づけられています。


  • 新市場進出(新分野展開、業態転換)
  • 事業転換
  • 業種転換
  • 事業再編

補助対象要件

事業再構築補助金の補助対象者は、日本国内に本社を有し、資本金または常勤従業員数が次表の数字以下となる中小企業者です。



業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

また、資本金等の額が10億円未満(資本金等の額が定められていない場合は、常勤の従業員数が2,000人以下)の中堅企業も対象です。これら対象となる事業者が次のすべての要件を満たす3〜5年の事業計画を策定することが必要となります。


  • 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3〜5年の事業計画を「認定経営革新等支援機関」や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
  • 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3〜5%以上増加または従業員一人当たりの付加価値額の年率平均3〜5%以上増加

2022年度第2次補正予算から売上高減少要件が撤廃されています。なお、申請類型ごとに別途個別の要件が設けられている場合があるため、詳細は公募要領をご確認ください。


補助金額・補助率

事業再構築補助金は2023年7月現在、6つの申請類型で募集されています。それぞれの補助上限額と補助率は次表のとおりです。


申請類型 補助上限額 補助率
成長枠 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円 中小:1/2、中堅:1/3
グリーン成長枠 <エントリー> 中小:4,000万円、6,000万円、8,000万円 中堅:1億円 中小:1/2、中堅:1/3
<スタンダード> 中小:1億円 中堅:1.5億円
卒業促進枠 成長枠・グリーン成長枠に準ずる 中小:1/2、中堅:1/3
大規模賃金引上促進枠 3,000万円 中小:1/2、中堅:1/3
産業構造転換枠 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円 中小:2/3、中堅:1/2
最低賃金枠 500万円、1,000万円、 1,500万円 中小:3/4、中堅:2/3
物価高騰対策・回復再生応援枠 1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円 中小:2/3(一部3/4)、中堅:1/2(一部2/3)
サプライチェーン強靭化枠 5億円 中小:1/2、中堅:1/3

補助上限額の幅は従業員数によって異なり、下限額は一律100万円となっています。 なお、「成長枠」と「グリーン成長枠」の補助事業を通して、中小・中堅企業等から中堅・大企業等へと規模拡大する事業者や大規模な賃上げに取り組む事業者に対して、補助上限額や補助率が引き上げられる「卒業促進枠」と「大規模賃金引上促進枠」も用意されています。



②:ものづくり補助金

ものづくり補助金は2013年に創設された補助金であり、大規模・高額な設備投資を行う中小企業で利用されてきました。元々は補助上限1,000万円の1申請枠のみでしたが、近年の相次ぐ経営環境の大きな変化を受けて、さまざまな申請枠が創設され内容が拡充されています。

なお、製造業しか申請できないと思われがちですが、小売業やサービス業、建設業など幅広い業種で利用することが可能です。


事業概要

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が革新的な試作品やサービスの開発、生産プロセスの改善による生産性向上のために取り組む設備投資等の支援を目的とした補助金です。今後事業者が数年にわたり直面する制度変更に合わせ、複数の申請枠が募集されています。


補助対象要件

ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有し、資本金または常勤従業員数が次表の数字以下となる会社または個人です。



業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、娯楽業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

また、一部の組合や特定非営利活動法人・社会福祉法人、「中小企業等経営強化法」に規定される特定事業者についても一定の要件を満たせば対象となります。

これら対象となる事業者が次の基本要件を満たす3〜5年の事業計画を策定することが必要となります。


  • 給与支給総額を年率1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金を毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする
  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

補助事業完了後の報告でこれらの要件が未達であった場合、補助金の返還が求められる可能性があります。なお、申請枠ごとに別途個別の要件が設けられている場合があるため、詳細は公募要領をご確認ください。


補助上限額・補助率

2023年7月現在、ものづくり補助金は5つの申請枠で募集されます。それぞれの補助上限額・補助率は次表のとおりです。


申請枠 補助上限額 補助率
通常枠 750万円〜1,250万円 1/2
小規模企業者・小規模事業者、再生事業者:2/3
回復型賃上げ・雇用拡大枠 750万円〜1,250万円 2/3
デジタル枠 750万円〜1,250万円 2/3
グリーン枠 エントリー類型
750万円〜1,250万円
2/3
スタンダード類型
1,000万円〜2,000万円
アドバンス類型
2,000万円〜4,000万円
グローバル市場開拓枠 3,000万円 1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3

補助事業終了後3〜5年で大規模賃上げを行う事業者を手厚く支援しており、補助上限額に100万円〜1,000万円が上乗せされます。なお、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」など一部の場合は除かれます。



③:小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象とした制度です。他の中小企業向け補助金と比較して補助金額は少額ですが、その申請書類や要件の簡易さ、補助対象経費の幅広さから大変使い勝手の良い補助金です。

以前は補助上限額50万円の1類型のみでしたが、豪雨災害や新型コロナウイルスなどを受け、時流に合わせた特別な公募も実施されました。2023年も経営環境の変化に対応する事業者を支援するため、さまざまな特別枠が用意されています。


事業概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みを支援することを目的とした補助金です。販路開拓等の取り組みとは、新たな市場に参入するための売り方の工夫や新たな顧客層の獲得のための商品の改良・開発等が該当します。

また、販路開拓等の取り組みと併せて実施される業務効率化(生産性向上)の取り組みも支援の対象となっています。


補助対象要件

小規模事業者持続化補助金の補助対象者は、日本国内に所在する小規模事業者です。小規模事業者の定義は、業種ごとに従業員数によって次表のとおり定義されています。



業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

商工会・商工会議所が相談先とされており、その支援を受けながら事業計画を策定し、補助事業を実施することが申請の要件とされています。なお、類型ごとに別途個別の要件が設けられている場合があるため、詳細は公募要領をご確認ください。


補助上限額・補助率

2023年7月現在、小規模事業者持続化補助金は5つの類型で募集されています。それぞれの補助上限額と補助率は次表のとおりです。


申請枠 補助上限 補助率
通常枠 50万円 2/3
賃金引上げ枠 200万円
卒業枠
後継者支援枠
創業枠

なお、すべての類型についてインボイス特例の要件を満たす場合、一律50万円が補助上限額に上乗せされます。



④:IT導入補助金

IT導入補助金は、ソフトウェアやアプリケーションなどの導入を支援する補助金です。ITツールの導入を計画している際にまず活用を検討すべき補助金で、コロナ禍やDXなど最近のトレンドも相まって需要が高まっている制度です。

2022年は申請の枠・類型の追加や一部のハード機器の補助対象とするなど大きく拡充されました。2023年もさらに内容が充実され、より使いやすさが向上しています。


事業概要

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が売上高の増加や生産性の向上など自社の課題解決のために取り組むITツールの導入を支援します。「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の3つの枠で募集されています。

補助事業の際には、「IT導入支援事業者」と連携することが必須要件とされており、ITが苦手な事業者でも取り組みやすい制度となっています。


補助対象要件

IT導入補助金の対象者は、次表に該当する中小企業や小規模事業者です。


通常枠 デジタル化基盤導入枠 セキュリティ対策推進枠
類型 A類型 B類型 商流一括インボイス対応類型 デジタル化基盤導入類型 複数社連携IT導入類型
補助事業者 中小企業・小規模事業者等 大企業等 中小企業・小規模事業者等
補助額 5万円~150万円未満 150万円~450万円以下 インボイス対応済の受発注ソフト 会計・受発注・ 決済・ECソフト PC・タブレット等 レジ・ 券売機等 (1)デジタル化基盤導入類型の 対象経費(左記同様)
(2)消費動向等分析経費(上記(1)以外の経費)50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円
(3)事務費・専門家費 補助上限:200万円
5万円~100万円
〜350万円 50万円以下 50万円超~350万円 ~10万円 ~20万円
補助率 1/2以内 2/3以内 1/2以内 3/4以内 2/3以内 1/2以内 (1)デジタル化基盤導入類型と同様
(2)・(3)2/3以内
1/2以内

小規模事業者の定義は次表のとおりです。



商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 常時使用する従業員の数5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数20人以下

これらに加え、一定の要件を満たした医療法人や社会福祉法人、特定非営利活動法人なども申請することが可能です。なお、2023年7月に新たに募集が開始された「商流一括インボイス対応類型」では、大企業も対象となりました。いずれの類型にも共通している要件は次のとおりです。


  • 「IT導入支援事業者」のサポートを受ける
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかの宣言を行う

なお、類型ごとに別途個別の要件が設けられていますので、詳細は公募要領をご確認ください。


補助額・補助率

2023年のIT導入補助金は、2022年から引き続き募集される3つの枠と4つの類型に、新たに1つの類型を加え、募集されることが公表されています。それぞれの補助額・補助率は次表のとおりです。


申請枠・類型 補助額 補助率
通常枠 A類型 5万円〜150万円未満 1/2以内
B類型 150万円〜450万円以下
デジタル化基盤導入枠 デジタル化基盤導入類型 会計・受発注・決済・ECソフト 50万円以下 3/4以内
50万円超〜350万円 2/3以内
PC・タブレット等 〜10万円 1/2以内
レジ・券売機等 〜20万円
複数社連携IT導入類型 (1)デジタル化基盤導入類型の対象経費
(2)消費動向等分析経費
50万円×参画事業者数
補助上限:(1)+(2)で3,000万円
(3)事務費・専門家費
補助上限:200万円
(1)デジタル化基盤導入類型と同様
(2)・(3)2/3以内
セキュリティ対策推進枠 5万円〜100万円 1/2以内

2022年からの変更点として、「通常枠」の補助下限額の引き下げと「デジタル化基盤導入類型」の補助下限額撤廃が挙げられます。また、「通常枠」の「クラウド利用料」の対象期間が最大1年間から2年間に伸長されました。



補助金に申請する際の注意点

最後に、補助金に申請される際の注意点について解説します。補助金にはさまざまなルールがあり、使いこなすにはコツが必要です。補助金の特徴をしっかりと押さえて、貴社の発展のため、上手に活用しましょう。

 

助成金と異なり審査がある

補助金と似通った制度に「助成金」があります。助成金とは、主に厚生労働省等が募集しており、一定の要件を満たすことで支給されます。

一方、補助金は、申請する際に事業計画書を提出し、審査員による審査を経て、採択・不採択が決定されます。採択率は制度や年度によっても異なりますが、おおむね30〜60%となっており、基本的には補助金の方が受給のハードルが高くなっています。

その要因は、それぞれの財源にあります。助成金は雇用保険料となっているのに対し、補助金は税金となっているため、支給先には特に厳正な支給先の選定が求められるのです。

 

全額支給されるわけではない

取り組みに要した経費のすべてが支給されるわけではないことにも注意が必要です。

補助金は、制度ごとにそれぞれ補助率が設定されており、おおむね1/2〜3/4の間で決められています。つまり、それ以外の部分は自己負担として、貴社で用意する必要があります。

また、多くの場合、消費税部分も補助対象外となっており、補助率2/3の制度に申請した場合、実質的な補助金額は1/2程度に感じてしまうかもしれません。そのため、補助金をあてにして過大な投資を計画してしまうと、運転資金を圧迫し、貴社の経営が揺らいでしまう可能性があるため注意してください。

 

原則後払いである

補助金は、補助事業にかかる取り組みをすべて完了し、実績報告が事務局に承認された後、はじめて支給されるものです。補助事業の中には、設備投資等に要した経費の支払いも含まれているため、取り組みに要した経費の全額を貴社で立て替え払いしておく必要があります。

資金面で余裕のない中小企業様の場合、無理な資金計画は資金繰りの悪化につながります。補助金に申請する際には、メインバンクなどにも相談し、キャッシュフロー計画も併せて検討しておくことが重要です。

 

補助金に採択されるためのポイント

補助金の採択を受けるためには、どうすればよいのでしょうか。

主なポイントは、次のとおりです。

 

適切な専門家にサポートを依頼する

補助金のほかに、返済不要なまとまった資金を手にできる機会などほとんどありません。そのため、多くの事業者が採択へ向けて真剣に取り組んでします。

特にものづくり補助金や事業再構築補助金など大型の補助金は、生半可な事業計画で採択を勝ち取ることは困難です。採択を得るためには補助金に強い専門家とともに事業計画を練り込み、また、補助金を熟知した専門家に申請書類の作成を依頼することが近道となるでしょう。

 

時間に余裕をもって取り掛かる

補助金は、決められた公募期限内に申請しなければなりません。しかし、期限ギリギリで取り掛かってしまえば、事業計画を十分に練り込む時間が取れないまま申請せざるを得ない可能性が生じるでしょう。

そのため、補助金の申請は、時間に余裕を持って取り掛かることをおすすめします。



補助金に関するよくある質問

最後に、補助金の申請について、事業者からよく挙がる質問とその回答を紹介します。なお、当社トライズコンサルティングでは、補助金申請について初回無料の相談サービスを提供しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

補助金はどのように探せば良い?

自社に合った補助金をどうやって探したら良いのかというのが最初の疑問かと思います。

おすすめは、中小企業庁の運営する「中小企業向け補助金・総合支援サイト ミラサポplus」と独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営する「支援情報ヘッドラインJ-Net21」の活用です。いずれも行政が運営しているサイトのため、情報の信頼度が高く、制度を地域や投資内容別、フリーワード等で検索することが可能です。

 

補助金は返還の必要がある?

受給した補助金は原則、返還の必要はありません。しかし、制度によっては補助事業終了後、数年にかけて状況報告を行い、補助金の効果によって利益が得られた場合は、その一部を返還する必要があることもあるので個別に確認が必要です。

また、事務局の承認を得ることなく、補助金によって取得した設備等を他者へ譲渡したり、事業期間の途中で補助事業を廃止したりした場合などにも、補助金の一部または全額を返還しなくてはなりません。

なお、いうまでもありませんが、虚偽の申請や報告により、不正に補助金を受給した場合も返還が求められます。

 

複数の補助金での併用は可能?

申請できる補助金があれば、複数の補助金に申請して、受給したいと思われるでしょう。

しかし、原則として1つの事業に対して申請することのできる補助金は1つとされています。そのため、取り組む事業が異なっていれば、併用できる可能性があります。また、過去に採択を受けた事業をさらに発展させるために取り組む場合も申請することができます。

併用することができない制度の場合、後になって面倒な手続きが必要になったり、補助金が受給できないといった事態に陥ったりする可能性があります。同時期に補助金を併用しようとするときは、事前に公募要領をよく読み、事務局やサポート機関へ直接問い合わせてみてください。



まとめ

中小企業が活用できる補助金の中から特におすすめしたい制度を厳選して4つ紹介しました。

補助金は画一的なものではなく、それぞれの特徴をしっかり捉えて手続きしなければ採択されることは困難です。この記事を是非じっくり読んでいただき、貴社の取り組みにマッチした制度を選択ください。